今回は「FileSystemObject」オブジェクトを使用してファイルを移動する方法をご説明します。
「FileSystemObject」オブジェクトとは、ドライブ、フォルダ、ファイルを操作する事ができるオブジェクトです。
「FileSystemObject」オブジェクトの使い方も併せてご説明します。
他のファイル/フォルダの操作は次の記事をご覧ください。
- FileSystemObjectでファイルをコピー
- FileSystemObjectでフォルダをコピー
- FileSystemObjectでフォルダを移動
- FileSystemObjectでファイルを削除
- FileSystemObjectでフォルダを削除
- FileSystemObjectでフォルダを作成
1.FileSystemObjectの使い方
「FileSystemObject」オブジェクトは、ドライブ、フォルダ、ファイルなどを操作する事ができるオブジェクトです。
FileSystemObjectを使用するには「CreateObject」メソッドを使用して次のように記載します。
Dim FSO As Object
Set FSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
FileSystemObjectのメソッド一覧
メソッド | 操作内容 |
BuildPath | パスの末尾に、指定したフォルダ名を追加したパスを返します |
CopyFile | ファイルをコピーします |
CopyFolder | フォルダをコピーします |
CreateFolder | 新しいフォルダを作成します |
CreateTextFile | 新しいテキストファイルを作成します |
DeleteFile | ファイルを削除します |
DeleteFolder | フォルダを削除します |
DriveExists | ドライブが存在するかどうか調べます |
FileExists | ファイルが存在するかどうか調べます |
FolderExists | フォルダが存在するかどうか調べます |
GetAbsolutePathName | 省略したパスから完全なパス名を返します |
GetBaseName | 拡張子を除いたファイルのベース名を返します |
GetDrive | 指定したDriveオブジェクトを返します |
GetDriveName | 指定したドライブの名前を返します |
GetExtensionName | ファイルの拡張子を返します |
GetFile | 指定したFileオブジェクトを返します |
GetFileName | 指定したファイルの名前を返します |
GetFolder | 指定したFolderオブジェクトを返します |
GetParentFolderName | 指定したフォルダの親フォルダを返します |
GetSpecialFolder | システムが使用する特別なフォルダのパスを返します |
GetTempName | 一時的なファイル名を生成します |
MoveFile | ファイルを移動します |
MoveFolder | フォルダを移動します |
OpenTextFile | 指定したTextStreamオブジェクトを返します |
2.ファイルの移動
書式は「FileSystemObject.MoveFile source, destination」と書きます。
コピーと違い、引数に「overwrite」を指定する事はできません。
引数の説明
【source】
移動元のファイルパスを指定します。
ワイルドカードを使用する事ができます。
sourceは省略する事ができません。
指定したファイルが存在しない場合、エラーが発生します。
【destination】
移動先のフォルダパスとファイル名を指定します。
ワイルドカードを使用する事ができず、省略もできません。
また、ファイル名まで指定する事で、ファイル名を別名にして移動ができます。
3.サンプルコード
移動元、移動先をフルパスで指定して移動する
移動元はファイル名までフルパスで指定して、移動先はフォルダパスまで指定します。
同一ファイル名が存在する場合や、移動元のファイル名が存在しない場合に、エラーとなり、メッセージが表示され処理を組み込みます。
「On Error GoTo ErrLabel」でエラー発生時に、「ErrLabel:」にスキップしてエラーを回避します。
Sub Sample1()
Dim FSO As Object
Set FSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
On Error GoTo ErrLabel
FSO.MoveFile Source:="C:\Sample1\TEST\Book1.xlsx", Destination:="C:\Sample1\TEST1\"
Exit Sub
ErrLabel:
MsgBox Err.Description
End Sub
移動時にファイル名を変更する
ファイル名「Book1.xlsx」を移動時に「Book2.xlsx」に変更して移動します。
Sub Sample2()
Dim FSO As Object
Set FSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
On Error GoTo ErrLabel
FSO.MoveFile Source:="C:\Sample1\TEST\Book1.xlsx", Destination:="C:\Sample1\TEST1\Book2.xlsx"
Exit Sub
ErrLabel:
MsgBox Err.Description
End Sub
ワイルドカードで複数ファイルを一括で移動する
ファイル名にワイルドカードを使用する事で、一括でファイルを移動する事ができます。
Sub Sample3()
Dim FSO As Object
Set FSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
On Error GoTo ErrLabel
FSO.MoveFile Source:="C:\Sample1\TEST\*.xlsx", Destination:="C:\Sample1\TEST1\"
Exit Sub
ErrLabel:
MsgBox Err.Description
End Sub